消費増税 「小判」目当てに…霞が関で激化する「社会保障費」争奪戦


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131004-00000550-san-pol


 今、霞が関の一部は「打ち出の小づちから小判が降って湧く」と色めき立っている。

 安倍晋三首相が1日、来年4月から消費税率を8%に引き上げる方針を表明。「消費税収は社会保障にしか使いません」と断言した。税率は平成27年10月には10%となることが法律で定められており、そうなると毎年度約14兆円が新たに社会保障費に充てられる。

 「小判」を直接手にする可能性が高いのが厚生労働省だ。首相の「消費税引き上げ表明」の数週間前、同省は財務省や内閣官房と連携し、消費税10%時の14兆円増収分の予算配分を内々に決めた。子育てや介護・医療、年金など「社会保障の充実」に増税1%分の2・8兆円▽現行制度の維持に必要な赤字解消など「社会保障の安定化」に増税4%分の11・2兆円…。本来なら与党との事前調整が必要な重要事項だが、のどから手が出るほどに「小判」が欲しかった官僚たちの明らかなフライングだった。

 他省庁もぬかりない。文部科学省は、待機児童解消などを図る「子ども・子育て支援の充実」予算に目をつけ、26年度予算の概算要求に幼稚園保育料の一部無償化(約340億円)を盛り込んだ。同省は「消費税増税分で充当する予算とは無関係」というが、将来的には増税分にあやかろうとする意図が透けてみえる。

 各省庁が消費税増税を見越した結果、26年度一般会計予算の概算要求額は99兆2千億円と過去最大に膨らんだ。政府が防災分野などに優先的に予算を配分する「特別枠」を設けたことも後押しし、国土交通省の要求額は前年度当初比で16・3%も増加。年末の予算編成を控え、増税でゆとりが生まれた予算の争奪戦が激化するのは必至だ。

 一方、争奪戦の余波を受けることになる診療報酬の改定では、国民負担が増加する皮肉な結果が生まれようとしている。自民党厚労族、日本医師会が消費税増税を追い風に、医師が患者を診察・手術する際の技術料に当たる診療報酬の「本体部分」のプラス改定をもくろんでいるからだ。本体部分は患者負担、保険料、国費の比例配分で成り立っているため、プラス改定になればおのずと病院と薬局の収入が増える。一方で患者が病院や医療保険に支払う料金は増す。

 例えば、25年度予算では国費から捻出する診療報酬を含む医療費は約11兆円。26年度の改定で、わずか1%でも上がれば国費は約1千億円も別に必要となり、保険料約2千億円、患者負担約500億円が新たな国民負担となってしまう。

 ◆綱渡り続く皆保険

 負担増だけを強いられることになりそうなのが大企業の健康保険組合(健保組合)だ。政府は国民会議による社会保障制度改革の議論を踏まえ、高齢者医療を支えるため、健保組合の負担が大きくなる「総報酬割」を27年度にも全面導入する方針を決めている。このため、健保組合は実に年1400億円もの負担増を強いられる。導入でサラリーマンの3人に2人の保険料が上昇するとみられる。

 消費増税と社会保障費の負担増を国民に強いてもバラ色の未来が待っているわけではない。公費の毎年度の支出は年金が10兆円、医療費が15兆円、介護費が5兆円規模。今後も高齢化の進展で社会保障費に投入する公費は増え続け、仮に消費税率10%が達成できても、とうてい賄えない。

 現在、医療費の公費負担率は約40%。政府高官は「負担率が50%を超えてしまえば、相互扶助を前提とする皆保険とはいえない。単なる施しになる」と危機感を募らせる。必ずしも身の丈に合っているとはいえない皆保険維持に向け、今後も綱渡りの状態が続くことに変わりはない。

 首相は1日に行った増税表明会見の冒頭、「半世紀ほど前、国民皆保険が実現した。世界に冠たる社会保障制度の礎が築かれた」と胸を張った。

 皆保険創設の関連法が制定されたのは昭和33年。首相の祖父にあたる岸信介政権の時代のことだ。首相にとって医療を通じ国民生活を向上させた皆保険制度は、祖父から受け継いだ宝物でもある。

 首相はこの遺産を未来に残すため、消費税増税という「断」を下した。これが後世、「英断」だったといわれるためには、社会保障制度の抜本的な改革が不可欠だが、当面は綱渡りの状態が続きそうだ。

秘密保護法案:検討過程「真っ黒塗り」 情報公開請求に


http://mainichi.jp/select/news/20131003k0000m040141000c.html


 政府が立案を進めている特定秘密保護法案 の検討過程について、毎日新聞が関係省庁に情報公開請求をしたところ、法案の内容に触れる部分は「不当に国民の間に混乱を生じさせる恐れがある」として、ほとんどが黒塗りだった。官僚がどう法案を練り上げたかのプロセスが秘密にされており、主権者である国民が法案について十分に知り、深く議論することが難しい状況になっている。

 

情報公開請求は、法案を担当する内閣情報調査室(内調)のほか、防衛、外務両省や警察庁、内閣法制局など関係する13の政府組織に対して行った。

 その結果、文書はそれぞれ開示されたものの、見出しなど一部を除き、法案の素案や法案の内容を解説した部分は全て黒塗りにされ、1ページ全部が真っ黒に塗りつぶされた文書も数多くあった。

 

不開示について内調は「公にすることにより、国民の間に未成熟な情報に基づく混乱を不当に生じさせる恐れがある」ことを第一の理由とし、他省庁も同様だった。これは情報公開法に定められた不開示理由の一つで、特定秘密保護法案 以外でも国会提出前の法案については同様の扱いがなされている。


 しかし、民主党政権が2011年4月に提出した情報公開法改正案では、この不開示理由は削除された。有識者会議で「(封建的な)『よらしむべし、知らしむべからず』を連想させる」などの意見が出たためだ。だが、改正案は昨年末の衆院解散で廃案となったため、当面は今の運用が続くとみられる。


 秘密保護法案 関連の公文書を数多く収集するNPO「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「法案の作成過程を国民が議論するのは当然であり、正当なこと。何が『不当』かを行政が主観的に決められる現行の規定は不適切だ」と指摘している。

風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」


http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c.html


 脱原発、行って納得、見て確信--。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。

 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」

 小泉が答えた。

 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」

 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

 

3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。


 呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。


 その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。


 原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。


 原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。

 帰国した小泉に感想を聞く機会があった。

 

--どう見ました?

 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」

 --今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。

 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」

 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」


「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」

 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」

 もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。

<汚染水漏れ>別タンクから20万ベクレル 海洋流出の恐れ


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131003-00000002-mai-soci


 東京電力は2日、福島第1原発の汚染水をためているタンクの上部から新たな水漏れを発見し、漏れた水からストロンチウム90などベータ線を放出する放射性物質が1リットルあたり20万ベクレル検出されたと発表した。点検用の足場を伝ってタンクを囲うせきの外へ漏れ出ていることを確認。近くの排水溝を経由して海に流れ出た可能性もあるという。

【小泉元首相の「原発ゼロ」発言】毎日新聞編集委員に元首相はこう語った

 8月に300トンの汚染水漏れが発覚したのとは別のタンク群。新たな高濃度汚染水漏れを受け、東電は同日、原子炉等規制法に基づき国に報告した。

 東電によると、漏れは同日午後8時5分ごろ、「B南エリア」タンク群で周囲のせき内にたまった雨水を移送する作業中だった社員が発見。タンク外壁を流れているのが目で見て分かる漏れ方だったという。放射性セシウム濃度は同18~54ベクレルと比較的低く、セシウム除去後の処理水をためていたタンクとみられる。

「税抜き」表示、9年半ぶり登場…注意書き掲示


http://news.infoseek.co.jp/article/20130930_yol_oyt1t01179



 来年4月からの消費税率引き上げをにらみ、10月1日から、商品価格の表示で消費税を除いた税抜き価格が認められる。

 

東京都千代田区のドラッグストア「大手町ファーストスクエアドラッグ」では30日、商品棚に「価格表記が随時本体表示に切り替わります」と注意書きが掲げられた。


 同店では当面、店頭の価格表示は税込みと税抜きの併記とするが、ストッキングなど一部商品に印刷されている表示は「本体○○円+税」といった税抜き表示のみとなる。上原道雪店長は「総額表示に慣れたお客様が価格を間違えないようにするため」と話している。


 税抜き表示が認められるのは、2017年3月末までの時限措置。04年4月に税込み価格の表示が法律で義務づけられて以来、約9年半ぶりとなる。

柏崎刈羽原発、来春再稼働容認へ 東電の経営危機が復興の妨げに


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130928-00000085-san-pol


 政府は27日、東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の来年春の再稼働に向けて原子力規制委員会に安全審査を申請したことを踏まえ、審査で安全性が確認されれば再稼働を容認する方針を固めた。東日本大震災からの復興を最優先課題に掲げる安倍晋三政権として、同原発が再稼働できないままだと東電は経営危機に陥り、福島第1原発の事故処理に支障が生じると判断した。

 首相周辺は産経新聞の取材に対し、柏崎刈羽原発の再稼働について「規制委の審査に半年程度かかっても、安全と判断されれば再稼働だ。経営危機の深刻化だけは避けたい」として、政府として再稼働への環境整備を急ぐ考えを示した。

 東電の収支計画によると、再稼働できない場合、来年3月期を黒字化するためには来年1~4月をメドに8・5~10%の再値上げが必要としている。代替策として活用している火力発電所の燃料費が経営を圧迫しているためだ。

 3期連続の経営赤字になれば、金融機関から融資を打ち切られる可能性があり、東電の経営は深刻な事態を迎える。膨大な費用のかかる福島第1原発事故の賠償なども遅れ、震災の復興の加速化に影響を及ぼしかねない。

 東電は当初、来年1月にも柏崎刈羽原発の再稼働を目指すとしていた。しかし、泉田裕彦新潟県知事が条件付きで安全審査申請を承認したのが26日になり、再稼働は早くて来年春までずれ込むことになった。今後、東電の対応をきっかけとする新たな問題が生じると、再稼働の時期はさらに遅れることもありうる。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は27日の記者会見で、東電に対し「引き続き地元自治体関係者の理解が得られるように努めてほしい」と注文した。

<秘密保護法案>「知る権利」明記見送り…政府、自民に原案


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130926-00000104-mai-pol


 政府は26日、特定の秘密の漏えいや不正入手に厳罰を科す「特定秘密保護法案」の原案を自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・町村信孝元官房長官)に提示した。報道の自由について「十分に配慮」と明記。国民の「知る権利」の規定は見送った。来月15日召集予定の臨時国会提出を目指すが、公明党は知る権利の規定を求めており、修正される可能性もある。報道の自由の配慮規定も適用範囲が明確でないことから、国会論戦の焦点になりそうだ。【小山由宇】

 原案では、法案の目的を「安全保障に関する情報のうち特に秘匿が必要なものについて、適確に保護する体制を確立して収集、整理し、活用することが重要」と明記した。報道の自由に関しては「十分に配慮するとともに、拡張解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」と規定した。

 政府は当初、公明党の要望を踏まえて知る権利も追加する方針だったが見送った。「憲法が保障する基本的人権に該当するか、法律的にも議論が分かれる」(内閣官房)としているが、内閣官房幹部は「今後加わる可能性もある」と修正に柔軟な姿勢を示した。

 特定秘密の範囲は(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動防止(4)テロ活動防止--の4分野を指定。政府が同時に示した法案別表で「自衛隊の運用やこれに関する計画・研究」「安全保障に関する外国との交渉内容」「テロ防止に関し収集した外国政府からの情報」などの23項目を示した。特定秘密の指定期間は「5年以内」とし、必要な場合は、行政機関の長が「5年を超えない範囲で延長」するとした。ただ、延長の基準は明記されておらず、町村氏は「閣僚が変われば運用も変わるのはまずい」と指摘。政府側は、政令などで統一基準の作成を検討する意向を示した。

 罰則については、特定秘密を漏らした公務員は懲役10年、業務上提供を受けた業者などが漏らした場合は5年以下と規定。不正入手にも懲役10年を設け、具体的には、人をあざむく▽暴行▽脅迫▽不正アクセス行為--などとした。

 報道の自由の規定はあるものの、取材が処罰対象に該当する可能性について内閣官房は「執拗(しつよう)な取材は当てはまらない。社会通念上是認できない場合に限る」とするにとどまり、適用の具体例は原案では詰まっていない。

 政府は26日のPTで、今月実施した法案概要に対するパブリックコメントの結果も報告。約9万件の意見があり、「特定秘密の指定が恣意(しい)的にされる」といった反対が8割を占めた。

東電、27日に申請=柏崎刈羽原発の安全審査―新潟県、ベントは「地元了解」条件


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130926-00000109-jij-pol


 新潟県は26日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働に必要な原子力規制委員会への安全審査申請を、条件付きで容認する方針を決めた。東電はこれを受け、27日に規制委への申請を行うとの広瀬直己社長のコメントを発表した。東電は柏崎刈羽原発の再稼働を経営再建の柱と位置付け、早期の運転再開を目指している。申請により、同原発をめぐる状況は新たな局面を迎える。
 

新潟県は26日午後、東電の増田祐治常務に県の意向を伝えた。その中で、原発の新規制基準で導入が義務付けられた排気装置(フィルター付きベント)について、地元の了解を得られない限り使用しないよう申請書に明記することを条件に挙げた。また、安全確保に向けた新潟県との協議を踏まえ、申請内容を修正することも求めた。 

福島 汚染水漏れのタンク底に隙間


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130926/t10014809471000.html


東京電力福島第一原子力発電所でタンクから汚染水が漏れだした問題で、タンクの底の部分ですでに見つかっていた鋼鉄製の板どうしをつなぐボルトの緩みのほかに、僅かな隙間があることが分かり東京電力でさらに詳しく調べることにしています。

福島第一原発では先月、4号機の山側のタンクから300トン余りの汚染水が漏れているのが見つかりましたが、発見から1か月がたった今も原因は特定できていません。
東京電力で、タンクの底の鋼鉄製の板の継ぎ目に泡ができる薬品を塗って、裏側から吸い取る試験を行ったところ、2本のボルトのすぐ脇に泡が吸い込まれる部分が見つかり隙間があることが分かりました。
今月20日の調査で、ボルトの緩みが見つかった場所ではなく、この2本のボルト自体は緩んでいなかったということです。
東京電力は「僅かな隙間でも大量の汚染水の重さで広がって漏れ出す可能性がある」として、この隙間から汚染水が漏れ出した可能性があるとみてさらに詳しく調べることにしています。
福島第一原発には、同じ構造のタンクが300基あまりあることから、東京電力は原因の特定を急ぐとともに別の構造のタンクへの変更についても検討を進めています。