東海原発、廃炉先送りへ 解体後のごみ処分場決まらず


http://blog.ameba.jp/ucs/entry/srventryinsertinput.do


国内の商業用原発として初めて廃炉を決めた日本原子力発電東海原発(茨城県)が、来年度から予定している原子炉の解体作業を先送りし、廃炉が遅れる見通しになった。原子炉内の部品や制御棒など、解体後に出る「廃炉のごみ」を埋める処分場がいまだに決まっていないからだ。

 商業用原発では、2008年に中部電力浜岡原発(静岡県)の1、2号機、11年に事故を起こした東京電力福島第一原発(福島県)の1~4号機の廃炉が決まり、5、6号機も廃炉が検討されている。ほかに運転を始めてから30年以上の古い原発も15基あり、「原則40年」で運転を終えるなどして廃炉が相次ぐ見通しだ。だが、いずれも処分場のめどは立たず、廃炉の道筋はできていない。

 東海原発は66年に国内初の商業用原発として運転を始め、98年に運転を終えた。これを受けて政府は、廃炉のため、原子炉内の部品などを「低レベル放射性廃棄物」として50~100メートルの地下に埋める「余裕深度処分」の方針を示した。


<小泉氏「原発ゼロ」発言>政権幹部、割れる反応


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131115-00000003-mai-pol


 自民党の小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」発言を巡り、政権幹部の発言に温度差が目立っている。小泉氏の人気を意識する石破茂幹事長らが理解を示す一方で、党内の原発推進派は強く反発。小泉発言を黙殺して沈静化を待つべきだ、との声もある。安倍晋三首相は「原子力比率を引き下げる」と明言しつつ、一定の原発維持を模索するが「身内の反乱」が生じた波紋は大きい。【横田愛、高本耕太】

【この問題を総まとめ】小泉元首相の原発ゼロ発言を巡るこれまで

 自民党の原発推進派でつくる「電力安定供給推進議員連盟」は14日、使用済み核燃料を再処理して発電に再利用する核燃サイクルについて有識者の意見を聞いた。会長の細田博之幹事長代行は小泉政権で官房長官を務めた経歴を持つが「石炭や火力に依存すれば(原発より)人類にはるかに重い負担になる」と述べるなど、今回は小泉批判の急先鋒(せんぽう)だ。

 一方、石破氏は原子力比率の低減を目指すという意味で、党と小泉氏に「そごはない」と指摘。「原発ゼロができればそれに越したことはない」とも述べている。

 公明党の山口那津男代表も「原発は過渡的なエネルギー源で、中長期的な視野で代替エネルギー源の開発を進めるべきだ」と訴える。同党の支持層にはもともと原発への懸念が強く、小泉氏にエールを送った格好だ。

 ただ、石破氏から検証を指示された自民党の高市早苗政調会長は「党のエネルギー政策は全会一致で党議決定したものだ」と述べ、距離を置く。

 自民党議員の一人は「意見を聞いて『党はこう思う』と話をすべきなのに、執行部は何もしないのか」と、党として見解を調整できない現状に疑問を呈す。

 もっとも、小泉氏が会見で「原発ゼロ」への決断を迫った相手は安倍首相ただ一人。首相は10月、小泉氏を「無責任だ」と批判したが、その後は「うかつに触ればやけどする。安倍さんにはつらい」(中堅議員)との懸念もあり、発言は少ない。今のところ、菅義偉官房長官が官邸のスポークスマンとして、現在の政策を変更しないと繰り返すにとどめている。

震災前に取り扱いミス 4号機プールに損傷核燃料3体


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131113-00010002-minyu-l07


 東京電力は12日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールから燃料集合体1533体の取り出しを近く始めるのを前に、震災前に折れ曲がるなどした損傷燃料が3体あることを明らかにした。県と原発周辺市町村、有識者でつくる県廃炉安全監視協議会の現地視察で示した。損傷燃料の取り出しは最後に回し、取り出し方法を今後検討する。
 東電によると、損傷した燃料の1体は「く」の字に折れ曲がっている状態。25年ほど前に燃料を取り扱う際に失敗し曲がった。ほかの2体は10年ほど前に破損が分かり、異物などの混入で外側に小さな穴が開いた状態という。
 燃料損傷について当時公表したかどうかは東電が調査中。ただ、震災前にも燃料の取り扱いで作業ミスがあったことが分かったことで、作業ミスの防止、監視強化があらためて課題として浮上した形だ。
 燃料は燃料輸送容器に入れて約100メートル離れた共用プールに移すが、損傷燃料は燃料輸送容器に入れられず、移送法を検討する。

福島民友新聞

<小泉元首相会見>「原発拒否」再燃警戒 政府・自民苦悩


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131112-00000104-mai-pol


 自民党の小泉純一郎元首相は12日の記者会見で、安倍晋三首相に「即時原発ゼロ」の政治決断を迫った。「脱原発」を唱える小泉氏がこの日、狙い定めたのは、安倍首相ただ一人。自民党の慎重論に抗し、持論の郵政民営化を実現させた自らの経験を引き合いに出しつつ、「首相が決断すれば、原発ゼロ反対論者もだまる」と説いた。

【本日の会見模様】小泉元首相の表情いろいろ

 「首相はピンチをチャンスに変える権力を持っているんですよ。この環境を生かさないともったいない。分かってほしい」

 小泉氏は会見で繰り返し「首相の権力」にふれ、会場にいない安倍首相にこう呼びかけた。2006年9月に首相を退任して以来、「テレビ出演も一切していない」。久しぶりの表舞台で、小泉氏は「安倍首相は大きな権力を国民が協力できる大きな事業に使っていただきたい」と訴え、同じ首相経験者として脱原発へ政策転換を促した。

 脱原発への発信を強める小泉氏を支えるのが、「脱原発」志向の世論だ。東京電力福島第1原発事故後に強まった「原発拒否」の空気はなおくすぶり、原発を抱える自治体にも再稼働への慎重論が残る。小泉氏は会見で「世論は軽視できない。大きな底流となっている根強い世論をどう読むかも、政治家として大事だ」と力説してみせた。

 政府・自民党は苦しい対応に追われた。小泉氏の会見後、評価を聞かれた菅義偉官房長官は12日の記者会見で「政府としては、エネルギーの安定供給、責任あるエネルギー政策を推進していくことが極めて大事だと考えている」と述べるにとどめた。自民党の石破茂幹事長も同日の記者会見で「小泉さんの発言と党の方針にそごはない。原発依存度を下げる方向に変わりはない」と火消しに努めた。

 自民党は7月の参院選公約で原発再稼働について「地元の理解が得られるよう最大限努力する」と前向きな姿勢を示した。しかし、民主党政権が「30年代に原発ゼロ」を掲げざるを得なかった国民の根強い原発不信も無視できない。安倍首相は「原子力比率を引き下げる」としつつ、一定の原発維持の可能性を探っている。

 安倍政権の支持率は、経済政策「アベノミクス」への期待感もあり高めに推移してきた。政権運営は順調といえ、安倍首相自身、再三にわたり自らの指導力をアピール。それだけに「首相の決断」を迫る小泉氏の発言は政権の急所を突き、足元を揺さぶる。「百考は一行にしかず」--小泉氏は会見した日本記者クラブで揮毫(きごう)を求められ、考えることより行動を促す書を記した。

風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男


http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c.html

http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c2.html


脱原発、行って納得、見て確信--。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。

 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」

 小泉が答えた。

 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」

 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

 3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。

 呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。

 その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。

 原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。

 原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。

 帰国した小泉に感想を聞く機会があった。

 --どう見ました?

 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」

 --今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。

 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」

 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」


 「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」

 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」

 もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)(毎週月曜日に掲載)


山本太郎「天皇直訴」手紙の中身と福島の反応


山本太郎参議院議員が10月31日の園遊会で天皇陛下に手紙を直接渡し、騒動になっている。

筆者は山本議員に手紙の内容を取材し、手紙の内容となっていた福島第一原発の作業員と福島県民、計30名ほどに取材をしたのでまとめる。

1.山本太郎議員の手紙の内容
2.福島第一原発作業員の感想
3.福島県民の感想


以下、全文は元サイトで!


http://no-border.asia/archives/16100

http://no-border.asia/archives/16100/2

http://no-border.asia/archives/16100/3

http://no-border.asia/archives/16100/4


「政治利用はマスコミ」 手紙問題 山本議員が辞職否定


 参院議院運営委員会の岩城光英委員長は1日、園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した山本太郎参院議員(無所属)を呼び、事情を聴いた。山本氏は岩城氏に対し「政治利用という意味は分からないが、品位を汚したなら参院に申し訳ない」と陳謝した。

 これに先立つ議運委理事会では、山本氏の行為が「極めて非常識」との認識で一致した。ただ、懲罰に値するかどうかは意見が分かれたため、5日の理事会で再び対応を協議する。戒告や登院停止などの懲罰動議は見送られる公算だ。

 山本氏は聴取後、記者団に「ルールに反しているという意識はなかった。議会のお沙汰は受け止める」と発言した。議員辞職は否定した。

 山本氏は、自らの行為が天皇の政治利用に当たるか否かについては、「マスコミが騒ぐことによって政治利用にされてしまう。利用しているのはマスコミだ」と持論を述べ、否定した。

 自民党内では山本氏が自発的に辞職しない場合、議員辞職勧告決議案の提出を検討する動きもある。ただ、参院で可決しても強制力はなく、岩城氏による口頭注意にとどまる可能性が高い。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131102-00000087-san-pol


※辞職なんかすことないよ!意外な行動で驚いたけど、よくやったよね


「まずいな」線量計外す合図 

原発労災申請の男性「命懸け、結局使い捨て」


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/496299.html


 「線量計はピーピー鳴き続けた」「赤いバツのついたがれきを手作業で運んだ」。東京電力福島第1原発の事故処理の最前線で4カ月働き、放射線被ばくが原因でがんになったとして労災申請した札幌市内の男性(55)は、北海道新聞の取材に、2年前の現場の現実を生々しく語った。

 

56・41ミリシーベルト。厚生労働省の「特定緊急作業従事者等被ばく線量等記録手帳」に記された2011年7月から10月までの4カ月間の男性の被ばく線量だ。「本当はこんなもんじゃない」と男性は言う。

 

放射線量の高い現場に到着すると5分もたたずに胸の個人線量計の警告音が鳴る。「まずいな」。現場責任者のつぶやきを合図に作業員が線量計を外す。マニュアルでは線量が高ければ現場から退避することになっているが、実際は放射線を遮る鉛を張った車中に線量計を隠すなどして作業を続けたという。

 

男性は重機オペレーターとして道内外の工事現場を渡り歩いたが、原発は初めてだった。大手ゼネコンの下請けで、月30万円近い基本給に1日1万円の危険手当が付いた。

 

主に担当したのは重機の遠隔操作だが、重機に乗り込むことやコンクリートの破片を手作業で取り除く作業も多かった。線量の高い現場では遠隔操作のロボットも使う。だがロボットが通る道を確保するには、どうしても人の手が必要だった。


 水素爆発で建屋が吹き飛んだ3号機の周辺には、1時間いただけで20~30ミリシーベルト被ばくしてしまう場所があちこちにある。特に線量の高いがれきには赤いスプレーで「×」と印が付けてある。前線基地の免震重要棟での朝礼で「赤い×には近づくな」と注意した現場責任者その人自身が、最前線に行くとがれきを手作業で運ぶ。作業員も黙って手伝う。「言っていることとやってることが、まるで違った」


 防護マスクのあごの部分にびっちりと汗がたまり、放射線対策の鉛が入った重さ15キロの防護服を着て原子炉近くで作業したこともある。「命懸けで作業した。そして、使い捨てにされた」。男性は今、そう思っている。


 膀胱(ぼうこう)と胃、大腸。転移したわけでもなく3カ所でがんが見つかったのは被ばくと関係あるはずだと考え、今年8月に労災を申請した。(報道センター・関口裕士)<北海道新聞10月5日朝刊掲載>

手紙「82円」方針決定 消費税引き上げに伴い 総務省


http://www.iza.ne.jp/kiji/economy/news/131004/ecn13100423040052-n1.html


 総務省は4日、消費税率が来年4月に8%に引き上げられることに伴い、25グラム以下の定形郵便物(手紙)の料金上限を、80円から82円に改正する方針を決めた。料金を定める省令について、近く改正手続きに入る。

 同省の試算では、消費税増税により、はがきなどを含めた日本郵便の税負担は約380億円増となる見込み。同社の今年度の営業利益見通し(220億円)を上回る規模で、経営努力により税負担増を吸収するのは困難と判断した。

 上限引き上げについて5日から来月5日まで一般から意見を募り、有識者らによる審議会に諮る


※「有識者」というのが問題ですな

介護保険、厚労省案出そろう 「正直者がばかを見る仕組み」の声も



 ■利用料2割/保険料軽減/特養の補助縮小

 高所得者の利用料2割負担への引き上げ、介護保険料の軽減強化、特別養護老人ホーム利用時の補助の縮小など、介護保険サービスの充実化と効率化の具体案が出そろった。高所得者や資産家には負担増、低所得者には負担減で、厚生労働省の検討会でも「総論賛成」がほとんど。だが、「豊かさ、貧しさ」を正確に知る手段は限られ、市町村からは実務に不安の声が上がる。法改正には紆余(うよ)曲折がありそうだ。(佐藤好美)



 ◆やりきれるか

 先月末、東京都内で開かれた「社会保障審議会・介護保険部会」。低所得者が特別養護老人ホームに入った場合に受けられる「食費・居住費の補助(補足給付)」を縮小する案について、全国市長会の大西秀人・高松市長は厚生労働省案に疑問を呈した。

 「資産の勘案は必要だが、実務がやりきれるのか。金融資産を自己申告してもらい、申告がなければ後でペナルティーを科すというが、金融機関は生活保護でさえ非協力的だったのに、市町村が介護で情報を取れると考えるのは難しい。実施できる制度的な裏付けが必要だ」


 厚労省が出したのは、預貯金や不動産資産が多い特養入所者を、食費・居住費の補助対象から外すという提案。現在の対象は「住民税非課税世帯」で、預貯金がある人も不動産資産がある人も含まれる。原案通り実現すれば、一定以上の預貯金や不動産資産のある人は、現在5・2万円(新型)の特養入所費が13万円以上になる。

 問題は実務。介護保険の窓口である市町村には、住民の預貯金に関する情報はない。厚労省案でも、頼りは利用者側の申告だ。市町村は必要なら金融機関に照会し、「不正受給者には3倍のペナルティーを科す」(厚労省)とする。だが、申告すると負担増になる仕組みに、別の委員からも「正直者がばかを見る仕組み。公平性に納得が得られる方法が重要」などの声が上がる。



 「資産家」を補助対象から外す案は以前からあった。しかし、実現しなかったのは、個人が所有する預貯金や有価証券の情報をきちんと把握する手段がないからだ。このため、現在は預貯金が多い人も不動産資産が多い人も、「住民税非課税世帯」なら低所得者向け施策の恩恵を受けることができる。

 今回、厚労省が提案に踏み切ったのは、もはや負担を求める「先」がないから。豊かさをつかみきれない現実は承知のうえとあって、介護保険部会では、厚労省自身が「実務に課題が多いのは痛感している」と、やむにやまれぬ選択であることをにじませた。

 資産を捕捉する手段は脆弱(ぜいじゃく)だが、資産家に補助を出す現状が正しい姿でないことも事実。この日の会議で慶応大学の土居丈朗教授は、こう発言した。「あたかも新たな不公平が生じるように見えるかもしれないが、現在は総合課税の所得のみがとらえられ、(分離課税の金融所得などは把握されず)課税所得が少ないことで負担が軽減される、いわば偽善的な状況がある。所得を網羅的に把握することが不可能な(現在の)段階で、負担できる経済力がある人にはご負担いただくことで、今の不公平な状況を少しでも改善できるものと評価している」



 ◆誰が低所得者か

 高齢者には負担減になる保険料軽減案も、この日の会議で示された。対象になれば、現在は保険料の50~25%が減額されるが、それが70~30%に拡大される。

 原資は消費税引き上げ分から約1300億円。対象者は従来通り「住民税非課税世帯」の人で、65歳以上の3人に1人と多い。

 だが、資産家を把握しきれないのと同様に、低所得者も絞り込みが難しい。保険料軽減は「夫の年金収入は198万円、妻の年金収入が79万円」という厚生年金のモデル年金世帯の夫婦も対象。65歳以上を対象にした税控除「公的年金等控除」が、最低でも120万円と大きいためだ。さらに、保険料軽減の対象者には、遺族年金など非課税年金が多い人も交じる。

 誰が豊かで、誰が貧しいのか-。

 それが分かる制度の整備は喫緊の課題だ。土居教授は「将来的にはマイナンバーも活用し、所得税・住民税で総合課税されている所得のみならず、分離課税されている金融所得も含めて、的確に『所得』を定義できるようにすべきだ」としている



 ■「負担の公平化」に関する改正案

 《改正案(1) 利用料2割負担への引き上げ》

 A案:年金収入280万円以上(合計所得160万円以上)

 B案:年金収入290万円以上(合計所得170万円以上)

 個人単位で適用されるので、配偶者の収入にかかわらず、個々の年金収入がこのラインを超えれば対象。実際に2割負担になるのは本人のみ。

 《改正案(2) 保険料軽減》

 対象は65歳以上で住民税非課税世帯。本人の年金収入が80万円以下:7割軽減(現在は5割軽減)▽年金収入が80万円超~120万円以下:5割軽減(同25%軽減)▽年金収入が120万円超:3割軽減(同25%軽減)

 《改正案(3) 特養の食費・居住費の縮小》

 世帯分離しても、配偶者が住民税課税なら除外▽単身で1000万円、夫婦で2000万円程度の預貯金等がある人を除外▽固定資産税評価額で2000万円(公示価格などで約3000万円)以上の不動産のある人-を除外。


元のサイトアドレス

http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/131004/lif13100408300001-n1.html

http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/131004/lif13100408300001-n2.html

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http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/131004/lif13100408300001-n4.html

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