「取りに来させろ」「足がつかないようにしろ」 虎雄氏、来客の前で細かい指示


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131123/crm13112308540004-n1.htm


 「先方に取りに来させろ」「足がつかないようにしろ」。徳田毅衆院議員が猪瀬直樹都知事への資金提供にあたり、父、徳田虎雄氏に電話で金額などを相談し、細かい指示を受けていたことが分かった。電話の会話を聞いた関係者によると、毅議員は猪瀬氏から「(金は)残ったら返す」と言われたと虎雄氏に伝えていたといい、「個人的な借入金」だったとする猪瀬氏の説明と矛盾する。

 関係者によると、虎雄氏の携帯電話に毅議員から電話があったのは、知事選直前の昨年11月19日午後1時過ぎ。虎雄氏はこのとき、湘南鎌倉総合病院15階にある執務室で来客らと面会中だったが、文字盤を目で追いながら秘書を通じて毅議員と会話する内容は、スピーカーを通して来客らにも聞こえる状態で続けられたという。

 電話のやり取りは次のような内容だったと関係者は証言する。

 毅氏「都知事選の応援について、猪瀬氏は1億5千万円と言っていましたが、結局、1億円を先に欲しい、残ったら返すということです」

 虎雄氏「とりあえず5千万円。先方に取りに来させろ」

 毅氏「議員会館でやりましょうか」

 虎雄氏「足がつかないようにしろ」

 虎雄氏はこのほか、5千万円の調達方法について、次女のスターン美千代容疑者(46)=公職選挙法違反容疑で逮捕=に相談するよう毅議員に指示していたという。

 関係者は、「猪瀬氏が『残ったら返す』と言っていると毅議員が話していたので、選挙後に残金のみ返すという意味であれば、貸し付けではなく返済を求めない資金提供だという印象を受けた」と話している。

 猪瀬氏への資金提供について徳洲会関係者は「猪瀬氏の知人から、虎雄氏の妻を通じて面会の申し込みがあった。猪瀬氏は都知事選の最有力候補と目されていたので、毅議員との関係を深めさせるため、虎雄氏は毅議員に資金提供の窓口役を任せたのだと思う」と話している。